解体業を始めたいと考えたとき、
「解体工事って許可が必要なの?」
「建設業許可だけで足りるのでは?」
「産廃の許可も取らないといけない?」
と、必要な手続きが分からず混乱する方は少なくありません。
解体業は、建設業許可・解体工事業登録・産業廃棄物収集運搬業許可など、
複数の制度が関係する分野です。
しかも、すべての事業者に同じ手続きが必要なわけではありません。
本記事では、
- 解体業に関係する主な許可・登録制度
- それぞれが必要になるケース
- よくある勘違いや注意点
を、法令の根拠を確認しながら分かりやすく整理します。
結論:解体業は「ケースによって必要な手続きが異なる」
解体業を始める際に重要なのは、
「解体業には必ずこの許可が必要」という単純な話ではない、という点です。
- 工事金額はいくらか
- 解体工事を継続的に行うか
- 廃棄物を自社で運搬するか
といった条件によって、
必要となる許可・登録の組み合わせが変わります。
判断を誤ると、無許可・無登録での営業となり、
行政指導や取引停止につながるリスクもあります。
解体業に関係する3つの制度を整理
建設業許可(解体工事業)
建設業許可は、一定規模以上の建設工事を請け負う場合に必要な許可です。
解体工事は「解体工事業」として、建設業許可の一業種に位置づけられています。
特に重要なのが、いわゆる 500万円ルール です。
- 解体工事の請負金額が
1件あたり税込500万円以上 の場合
→ 建設業許可(解体工事業)が必要
(引用元:国土交通省|建設業の許可とは)
500万円未満であっても、
将来的に工事規模が大きくなる可能性がある場合は、
早めに検討しておくことが重要です。
(関連記事:「建設業許可が必要になるケースとは?500万円ルールを具体例で解説」)
解体工事業登録とは
解体工事業登録は、建設リサイクル法 に基づく制度です。
建設業許可(解体工事業)を持っていない事業者が、一定の解体工事を行う場合に必要となります。
- 解体工事を業として行う
- 建設業許可(解体工事業)を持っていない
この場合、解体工事業登録が必要になります。
(引用元:国土交通省|解体工事業登録制度)
なお、建設業許可(解体工事業)を取得している場合は、解体工事業登録は不要です。
産業廃棄物収集運搬業許可
解体工事では、コンクリートがら・木くず・金属くずなど、多くの産業廃棄物が発生します。
これらの産業廃棄物を、
- 自社の車両で
- 処分場まで運搬する
場合には、産業廃棄物収集運搬業許可が必要になる可能性があります。
(引用元:e-Gov|廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第14条)
「処分はしないから大丈夫」と考えてしまいがちですが、収集・運搬だけでも許可が必要になる点は注意が必要です。
(関連記事:「産業廃棄物収集運搬業の許可が必要なケースとは?業種別に解説」)
【ケース別】解体業で必要な許可・登録の組み合わせ
小規模解体(500万円未満)の場合
- 建設業許可:不要
- 解体工事業登録:必要
- 産廃業許可:自社で廃棄物を運搬する場合は必要
工事金額が小さくても、登録や産廃許可が不要とは限りません。
500万円以上の解体工事を行う場合
- 建設業許可(解体工事業):必要
- 解体工事業登録:不要
- 産廃業許可:
自社運搬する場合は必要
このケースでは、建設業許可が中心的な位置づけになります。
廃材を自社で運搬する場合
解体工事の規模にかかわらず、
- 自社車両で廃材を運ぶ
- 他人の産業廃棄物を業として運搬する
場合には、産廃業許可が必要になる可能性が高いです。
よくある勘違い・トラブル事例
「解体工事業登録だけで全部できる」
→ 工事金額が500万円を超えると、建設業許可が必要です。
「建設業許可があれば登録も産廃もいらない」
→ 建設業許可は工事の許可であり、
廃棄物の運搬は別の許可が必要です。
「産廃は業者に任せる予定だから問題ない」
→ 実際の運搬実態によっては、
自社に許可が必要と判断されるケースがあります。
解体業を始める前に確認すべきチェックリスト
- 解体工事の請負金額は500万円を超えるか
- 解体工事を継続的・専業的に行うか
- 廃棄物を自社で運搬するか
- 将来、元請や公共工事を目指すか
1つでも当てはまる場合は、必要な許可・登録を整理しておくことが重要です。
どこから整えるべきか分からない場合の考え方
まずは、
- 今行う予定の業務内容
- 今後の事業展開(規模・エリア)
を整理し、「今必要なもの」と「将来必要になるもの」を分けて考えるのがおすすめです。
後から取り直すより、
最初に全体像を把握しておく方が、結果的に負担が少なくなります。
まとめ
解体業を始めるには、
- 建設業許可
- 解体工事業登録
- 産業廃棄物収集運搬業許可
という、性質の異なる制度を正しく理解することが不可欠です。
「何となく大丈夫だろう」と自己判断せず、自分のケースに合った手続きを整理することが安心して事業を続けるための第一歩となります。
👉 解体業を始めたいが、何が必要か分からない方へ
- 自分の解体業ではどの許可・登録が必要か
- 今のやり方は適法か
- どこから手を付けるべきか
を整理したい方は、専門家に一度確認することをおすすめします。

