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解体業で産業廃棄物収集運搬業許可が必要になるケースとは?判断ポイントを具体例で整理

解体業で産業廃棄物 収集運搬業許可は必要?判断ポイントを『具体例』で整理

解体工事では、コンクリートがら・木くず・金属くずなど多くの産業廃棄物が発生します。ところが現場では「処分はしないから産廃許可はいらない」「うちは解体工事業登録(または建設業許可)があるから大丈夫」といった誤解が起きやすく、気づかないうちに“無許可の収集運搬”になってしまうことがあります。

この記事では、解体業の実務に即して「産業廃棄物収集運搬業許可(以下、産廃収集運搬許可)が必要になるケース/不要になり得るケース」を、判断の軸と具体例で整理します。解体業・関連許可カテゴリの全体像は、こちらの記事もあわせてご覧ください。(解体業を始めるには何が必要?建設業許可・登録・産廃許可を整理


目次

結論:判断のカギは「誰の産廃を、業として運ぶか」

産廃収集運搬許可が必要になるかどうかは、ざっくり言うと次の2点で決まります。

  • ① 他人の産業廃棄物を運ぶのか
  • ② それを「業として(反復継続・事業として)」行うのか

産業廃棄物の収集運搬を「業として」行う場合は許可が必要、というのが廃棄物処理法の大原則です。
(引用元:e-Gov|廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第14条

一方で、**排出事業者が自ら運搬する(いわゆる自己運搬)**は、許可不要で行える場面があります。ただし“何でも自由”ではなく、運搬基準や表示・書面携帯などのルールを守る必要があります。
(引用元:東京都環境局|自ら処理する場合(自己運搬の基準等)
(引用元:環境省|産業廃棄物収集運搬車への表示・書面備え付け義務Q&A


まず押さえる:解体工事で出るものは多くが「産業廃棄物」

解体工事で発生しやすい廃棄物には、木くず、がれき類、金属くず、廃プラスチック類などがあり、建設廃棄物の不適正処理は大きな問題として繰り返し指摘されています。
(引用元:環境省|建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について

産業廃棄物の分類は細かく、自治体の例示で確認できるケースも多いので、実務では「自分の地域の運用」を確認するのが安全です。
(引用元:東京都環境局|産業廃棄物の具体例


解体業で「産廃収集運搬許可が必要になる」代表的なケース

ここからが本題です。解体業で許可が必要になりやすいのは、次のような場面です。

ケース1:元請・施主(取引先)の産廃を“自社名義で”運ぶ(=他人の産廃になりやすい)

例えば、元請から「この廃材を処分場まで運んでおいて」と頼まれ、下請の解体業者が自社トラックで運ぶケース。
ここで重要なのは、廃棄物の取扱いは「頼まれたからOK」ではなく、実態として“他人の産廃を運搬する業”になっていないかです。

東京都の案内でも、子会社や下請け業者・取引業者が運搬する場合は自己運搬ではなく、収集運搬業の許可が必要となる旨が整理されています。
(引用元:東京都環境局|自ら処理する場合


ケース2:解体で出た廃材を、他社の廃材も混ぜてまとめて運ぶ(混載・混合)

現場Aの廃材と現場B(別契約・別事業者)の廃材を同じ車で運ぶ、あるいは一時置場で混載して運ぶ。
この運用は、実態として“他人の産廃の運搬”に該当しやすく、許可が必要になるリスクが高いです。

建設廃棄物は種類が多く混合排出になりやすいこと、適正処理が重要であることも指針で示されています。
(引用元:環境省|建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について


ケース3:廃材をいったん自社ヤードへ持ち帰り、そこから処分場へ運ぶ(積替え・保管が絡む)

「現場 → 自社ヤード → 処分場」という運用は、自己運搬のつもりでも、実態として積替え・保管が絡む可能性があります。
積替え・保管の有無は、許可の事業範囲や施設の扱いに直結しやすい論点です。申請手続上も、施設(積替え又は保管の場所を含む)などの記載・添付が求められることが示されています。
(引用元:環境省|産業廃棄物収集運搬業の許可(申請・届出等手続案内)

※ここは自治体ごとの運用差も出やすいので、「ヤードに持ち帰ってから運ぶ」運用がある場合は、要注意ポイントです。


ケース4:解体廃棄物の運搬を、請負工事のサービスとして反復継続している(=業として)

「運搬だけは無料」「工事代に含めている」など名目がどうであれ、反復継続して行えば“業として”と判断され得ます。
許可要否は“有償か無償か”だけでは決まりません(判断は実態ベース)。根拠条文上も「業として」行う収集運搬は許可の対象です。
(引用元:e-Gov|廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第14条


ケース5:排出事業者が誰か曖昧なまま運搬している(元請・下請構造)

建設系では重層下請構造があり、排出事業者(責任主体)が曖昧になりやすい点が繰り返し指摘されています。
(引用元:環境省|建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について

排出事業者の考え方は、契約関係や実態で変わることがあり、参考資料でも具体例で整理されています。
(参考:産業廃棄物適正管理のためのQ&A集

この状態で「うちのゴミだから自己運搬」と決めつけてしまうと、あとから指摘を受けるリスクが上がります。


「許可が不要になり得る」ケース(ただし条件つき)

解体業でも、常に産廃収集運搬許可が必要というわけではありません。代表的には次の2つです。

不要になり得るケース1:排出事業者が自ら産廃を運搬する(自己運搬)

排出事業者が自社の産業廃棄物を自ら運搬する場合、許可不要で行えることがあります。
ただし、自己運搬でも「基準に従う義務」があること、そして構内運搬を除き表示・書面携帯が必要となる旨が明示されています。
(引用元:東京都環境局|自ら処理する場合
(引用元:環境省|産業廃棄物収集運搬車への表示・書面備え付け義務Q&A

「自己運搬=ノールール」ではない、が重要ポイントです。


不要になり得るケース2:収集運搬をすべて許可業者に委託し、自社は運ばない

現場からの運搬を、許可を持つ収集運搬業者に委託し、自社車両で一切運ばない運用に徹するなら、自社が許可を取る必要性は下がります。
ただし「急ぎの分だけ自社で運ぶ」「少量だけなら大丈夫」という“例外運用”が入ると、無許可リスクが一気に上がります。


よくある勘違い3つ(解体業で特に多い)

勘違い1:「処分しない=許可不要」

収集運搬“だけ”でも許可対象になり得ます。処分をしないことは、許可不要の理由にはなりません。
(引用元:e-Gov|廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第14条

勘違い2:「元請が許可を持っているから下請は不要」

許可の有無は“誰が運ぶか”で見られます。下請が自社車両で運ぶなら、下請側に許可が必要になる場面があります。
(引用元:東京都環境局|自ら処理する場合

勘違い3:「自己運搬なら何をしてもOK」

自己運搬でも表示や書面携帯が必要な場合があります。
(引用元:環境省|産業廃棄物収集運搬車への表示・書面備え付け義務Q&A


3分で判定:産廃収集運搬許可が必要かチェックリスト

次のうち1つでも当てはまれば、許可が必要になる可能性が高いです。

  • 現場から出た廃材を自社トラックで処分場へ運んでいる
  • 元請や他社の廃材も一緒に運んでいる/頼まれて運んでいる
  • 一時置場(ヤード)に持ち帰ってから運んでいる(積替え・保管の論点)
  • 現場が増えて運搬が日常業務になっている(反復継続=業として)
  • 排出事業者が誰か(元請/下請/施主)が整理できていない

「当てはまるか微妙」という場合は、自己判断で続けるより、契約関係・運搬実態・自治体運用を前提に整理するのが安全です。


まとめ:解体業は“産廃を運ぶ瞬間”に許可問題が発生する

解体業では、産廃を出すだけでなく「運ぶ」場面が必ず発生します。そして許可の要否は、書類上の名目ではなく、**誰が・どの廃棄物を・どんな頻度で運んでいるかという“実態”**で判断されます。

解体業の許可関係の全体像を押さえたい方は、次の記事もあわせてどうぞ。
解体業を始めるには何が必要?建設業許可・登録・産廃許可を整理
解体工事に建設業許可は必要?不要なケースとの違いを解説


👉 自社の運搬が「自己運搬」で済むか迷う方へ

「この運び方は許可が必要?」「ヤード運用は積替え・保管に当たる?」など、解体業はグレーになりやすい論点が多い分野です。無許可リスクを避けるためにも、現場の流れ(運搬ルート・契約・委託の形)を一度整理しておくことをおすすめします。

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