建設現場から出るコンクリートガラ、木くず、廃プラスチック類などは、法律上「産業廃棄物」に該当します。
しかし実際には、
- 自分で処分場まで運んでいる
- 元請に言われたとおり処分している
- 処分は業者に任せているから大丈夫だと思っている
といった理由から、産業廃棄物収集運搬業の許可を取らずに処分している建設業者も少なくありません。
結論から言うと、これは 明確に違法となるケースがあり、重い罰則が科される可能性 があります。
本記事では、建設業者が産廃許可を取らずに処分した場合に、
- 何が違反になるのか
- どのような罰則があるのか
- 実務上どんなリスクがあるのか
を、法律の根拠を示しながら解説します。
結論:産廃許可なしでの処分は「普通に違法」
知らなかったでは済まされない
産業廃棄物の処理については、廃棄物処理法により厳しく規制されています。
無許可で産業廃棄物を収集・運搬・処分する行為は、原則として違法です。
重要なのは、
「知らなかった」
「悪意はなかった」
といった理由が、違反の成立を否定するものにはならないという点です
(廃棄物処理法の運用上)。
建設業許可があっても関係ない
よくある誤解として、
- 建設業許可を持っているから大丈夫
- 建設業の一環だから問題ない
という考えがありますが、
建設業許可と産業廃棄物収集運搬業の許可は、全く別の制度です。
建設業許可を持っていても、
産業廃棄物を「業として」収集・運搬する場合は、別途産廃許可が必要になります。
そもそも何が「違反」になるのか
産業廃棄物の無許可収集・運搬とは
廃棄物処理法では、産業廃棄物の収集・運搬を業として行う場合、
都道府県知事等の許可を受けなければならないと定められています。
許可なくこれを行うと、
無許可収集運搬 に該当します
(廃棄物処理法第14条)。
(引用元:e-Gov|廃棄物の処理及び清掃に関する法律)
建設業者に多い違反パターン
建設業者で特に多いのは、次のようなケースです。
- 建設現場から出た廃材を、自社の車両で処分場へ運ぶ
- 元請の指示で、現場から産廃を回収・運搬する
- 無償で運んでいるから問題ないと考えている
これらは、報酬の有無に関係なく「業として」行っていれば違反になる可能性があります。
無許可で処分した場合の罰則【法律上】
廃棄物処理法における位置づけ
産業廃棄物の無許可収集・運搬は、
廃棄物処理法において 重い違反行為 とされています。
環境保全・公衆衛生に直結するため、刑事罰の対象です。
刑事罰の内容
無許可で産業廃棄物の収集・運搬を行った場合、
- 5年以下の懲役
- 1,000万円以下の罰金
- またはその両方
が科される可能性があります
(廃棄物処理法第25条)。
(引用元:e-Gov|廃棄物処理法)
法人の場合は、
法人に対しても罰金刑が科される 可能性があります(両罰規定)。
罰則以外の「現実的なリスク」
元請・取引先との契約リスク
産廃処理の違反が発覚すると、
- 元請からの取引停止
- 今後の受注停止
- 契約解除
につながる可能性があります。
特に公共工事や大手企業案件では、
コンプライアンス違反が致命的 になるケースも少なくありません。
行政指導・立入検査
無許可処分が疑われる場合、
- 行政による立入検査
- 是正指導
- 再発防止報告
が行われることがあります。
一度指摘を受けると、事業運営に大きな負担となります。
建設業許可への影響
産廃処理法違反の内容によっては、
- 欠格要件に該当する
- 建設業許可の更新・新規取得に影響する
可能性もあります。
つまり、産廃の違反が建設業の許可にも波及するリスク があるということです。
よくある誤解と危険な考え方
「処分は業者に任せているから大丈夫」
運搬を自社で行っていれば、
処分を委託していても 無許可運搬に該当する可能性 があります。
「元請が許可を持っているから大丈夫」
許可の有無は、
実際に収集・運搬を行う事業者ごとに判断されます。
「今まで問題なかったから大丈夫」
違反が問題になるのは、
「今までバレていなかっただけ」というケースも多くあります。
違反しないために建設業者が取るべき対策
自分の業務が許可対象かを整理する
まずは、
- 誰の産廃を
- 誰が
- どこからどこへ運んでいるか
を整理することが重要です。
必要であれば早めに許可取得を検討する
産業廃棄物収集運搬業の許可は、
- 車両要件
- 講習受講
- 複数自治体対応
など、準備に時間がかかります。
問題が起きる前に動くことが重要です。
グレーな場合は自己判断しない
産廃処理は、
自己判断が最もリスクの高い分野です。
行政や専門家に確認することで、
不要な違反を防ぐことができます。
まとめ
建設業者が産業廃棄物の許可を取らずに処分した場合、
- 法律上の罰則が重い
- 取引・信用・許可に影響する
- 「知らなかった」では済まされない
という大きなリスクがあります。
現状に少しでも不安がある場合は、
早めに確認・整理することが、事業を守ることにつながります。
👉 産廃処理のやり方に不安がある方へ
- 今の処分方法は適法か
- 許可が必要か
- どこから整えるべきか
を専門家が確認します。

